足繁く磯に通い、四季折々移ろう荒磯の表情と出来事を記録します。
7月に突入。西日本地方は毎年恒例ともなってきた不安定な大気と前線がもたらす大雨。
ここ対馬においても、この時期は例外なくバカ降りしている。
2019年には、南から湿った空気が停滞した前線に流れ込み、解析雨量として「50年に一度の大雨」を記録。
ただ今年にかぎっては、長い期間ダラダラと続く雨は降っていない。
きっとこの島は年中、あらゆる方位からの風が流れ込むために、前線が停滞しない限り雨雲が定位することが難しいのだろう。
ということで、7月にもなったことだし(まだ、まともにシーバスゲームをやれてない。)きちんと天気予報を確認した上で、安全面に十分配慮してナイトシーバスゲームに出かけることにした。
河川が隣接する港湾へ
基本的にこの島はシーバスの個体数が少ないと言われている。
私自身、まだシーバスの生態やパターンについてよくわかっていないが、自分が魚だったら…と思考を相手サイドに落とし込んでいくことは、青物やヒラスズキを通してこれまで何度も妄想し、都度迷子になってきた。
なので、さらにさらに思考を落とし込んでいく。
シーバスが捕食するベイトは、アジ、イワシ、イナッコ、稚鮎、甲殻類はどういう場所に溜まるのか… いや、、これではおそらく捉えられない。
さらにさらに落とし込もう。
要は、ベイトが溜まるとは、ベイトが捕食するプランクトンが豊富であるということ。
ではプランクトンはどこに溜まるのか。何を養分にしているのか。
用水路から雨水が流れ込む川でボラの群れがパクパクしているところを見たことがある。これに何かヒントがあるのでは?
さらに深く掘り下げると、磯において波が砕けるサラシは、空気と水が混ざり合い、海水に溶ける酸素濃度が非常に高い。
水槽のブクブクも、酸素を流し込んでいるわけではなく、泡で水を動かすことで、あくまでも水面から酸素を取り入れていると聞いたことがある。
つまり水が動く場所ほど酸素が豊富であれば、水が動く場所こそプランクトンの活性も高く、これに伴ってベイトの活性も同調し、そしてそれを捕食するフィッシュイーターが集まるのではないか。
そうやってミクロからマクロに思考をトリミングしていく。
そうして選んだ初場所。
ここも河川が絡む港湾エリアの明暗部。
頭の中が忙しい。
つまり何が言いたいかというと、期待値が高いということ。
この日の海象
◆曇り ◆南の風 3m/s
◆波高 0.6m
◆中潮 (月齢 10.9)
◆旧暦 5月12日
到着するや否や、何とすでに始まっていた。
至るところでボイル。
この時点で嬉しい。
個体数が少ないと言われている魚の居場所を、自分の勘で当てられたのだから。
ただ何が何に追われているのかは分からない。
おそらく、シーバスがボラを捕食している。
引き波を立てながら、ゆっく〜り引いてくるが、反応を示さない。それどころか全く違う場所で、70cmクラスが …ボシュッ!!!と出ている。
ナイトゲームに慣れていないブログ主は、いちいちボイルのスプラッシュにビビる。
ルアーチェンジ。
アイマのKOMOMO counter 125をセット。
同じくゆっくり見せて引いてくるが、30cmほどのチーバスがチェイスして見切る。
ブローウィン80Sをセットし、流れに乗せてスローに引いてみる。
・・・反応なし。ならば必殺ジャーキング。
一切の反応を得られず、気づけば日が昇り、時刻は07:30。
水は明確に流れていて、ベイトも確認できるのだが・・・合わせきれない。
正直なところ、魚の居場所さえ見つけることができれば、食わせるのはイージーだと甘く考えていた・・・。
帰るに帰れず、ホームの磯に向かう
ヒラスズキを始めたのも、数年前のこんな季節だった。
足繁く壱岐の磯に通い、今思えば絶望的な凪の磯に果敢に挑んで、いとも簡単にうちのめされ心を折られる毎日が4ヶ月近く続いた。
今でも磯ヒラゲームで一番嬉しかった瞬間は何かと問われれば、初めて釣った55cmのヒラスズキだとはっきり言える。
あの小さなヒラスズキが、自分の足元に横たわったあの瞬間、何かが私の脳内を突き抜けた。
努力が必ずしも報われるわけではないし(魚サイドの都合もあるし)、お金を積んで買える喜びでもない。
本当に言葉が出なかった。
あの感動が懐かしい。これは持論だが、きっとアングラーは皆、あの時の喜びを追い求めて彷徨い続けているのだろう・・・
ということで、悲哀に満ちた傷心を癒すべく、ホームの磯に転進。
しばらく沖磯でイサキをメインに釣行していたので状況も分からず、サラシも薄くて期待は出来ないが、試したいルアーがいくつかあり、これの磯での有用性を確認したかったのでエントリー。
そして先日、トップガイドに破損が生じたAvarice110MHを熊本県のRipple fisherに入院させたので、この日はYamaga Blanks Early for rock 104Hで挑む。
エリア的に隆起が激しく厳しい地形なので、ロッドの柔らかさに多少の不安があるが・・・
微サラシの際をなぞるように引いてくると、
何と1投目からジャンピングバイト!
・・・しかし、これは惜しくもフックアウト。
よく見ると、ヒラスズキがそこら中でボイルしているではないか!
すぐに体勢を立て直し、ランディングポイントを再確認してキャスト。
すると分厚い銀色の魚体が反転してルアーをひったくる。
ロッドの長さと、硬さがいつもと違うので、不用意に前に出そうになる気持ちを抑えつつ、魚を誘導する。
ランディングするには、魚を浮かせてゴジラ瀬を越えなければならない。
魚の引きが強い。
もしかすると、ランカーか・・・!?
何とか波に乗せて瀬を越え、手前の大きなスリッドまで運んできた。
あとはランディングポイントで波待ちすればどうにかなりそうだ。
長さは70cmあるなしだが、体高がエグい。
思わず、太ぇえ・・!!!と叫んでしまった。
Ripper90の純正フックは折損。
何とかキャッチ出来てよかった。
まだまだ時合いなので確実に獲りたいと、続いてジョルティを投入。
そして同等サイズ1尾を追加。
続いて、表層系のルアーで試したかったもの。
ローリング主体で、比較的大人しめのアクション。
上から見ると動いていないように見えるが、横からの流れを受けると不規則にユラっとローリングの角度が大きくなり、明らかにバランスを崩すところが、ブログ主の心を掴んだ。
サラシの外にキャストし、流れに乗せて巻かずに流すアクションで狙いどおりヒット。
エラ洗いで魚体が見えたが、60cm強といったところ。
ところがゴジラ瀬の際を走り、何度もエラ洗い。
判断を誤り、ラインブレイク・・・。
不安は的中した。
10:00に納竿となったが、結果、8バイト6キャッチ。
サイズは全て70前後、ベイトはキビナゴだった。
5月と比べると、1ヶ月足らずで1.5倍ほど大きくなっている。
今回は、この良型キビナゴの接岸の恩恵で、春爆ならぬ初夏爆を体験することができた。
たまたま当たった事故なのか、それとも必然か、再現性については今後も通ってパターンを見い出していこうと思う。
個人的には、サラシがあって、場所さえ当てれば季節問わずゲームは成立しそうだと感じている。
◆ ロッド:Yamaga Blanks Early 104H
◆ リール:Twin Power XD 4000XG
◆ ライン:DAIWA morethan DURASENSOR 8BRAID 1.5号
◆ リーダー:SUNLINE SYSTEM SHOCKLEADER ナイロン 30lb
今回も読了、ありがとうございました!
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